07/05/2023にLinux Kernelの特権昇格の脆弱性(Important: StackRot ( CVE-2023-3269) )が公開されました。PoC等は未だ公開されていませんが7月末までに公開されるとのことです。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について纏めます。
(2023/07/31追記:PoCが公開されました)
[過去関連リンク(最新5件)]
- Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2023-32233)
- Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2023-2235)
- Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2023-0458)
- Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2023-2008)
- Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2023-1078, Moderate: CVE-2023-1073, CVE-2023-1077, CVE-2023-1079, Low:CVE-2023-1074, CVE-2023-1075, CVE-2023-1076)
- Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2023-0179)
- Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2023-0386)
CVSS/プライオリティ
- CVE-2023-3269
- 影響するバージョン
- 6.1 < Linux Kernel < 6.4
- 一時情報源
- Priority
- Red Hat:7.8 Important
- CVSS Score / CVSS Vector
- Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:H/PR:L/UI:N/S:C/C:H/I:H/A:H
- 影響するバージョン
PoC (2023/07/31追記)
StackRotのPoCに関してはGitHubのStackRotツリーで公開されています。
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2023-3269
- 特権昇格の脆弱性
- Linux Kernelの6.1から6.4にかけて”StackRot”と命名された脆弱性が発見されました。仮想メモリ空間を管理する「maple tree」が完全なMM書き込みロックを受けること無くノードの置き換えを実行できるため、use-after-freeの問題が発生します。非特権のローカルユーザはこの脆弱性を利用して特権昇格ができる可能性があります。
- 細かい情報が一時情報源に載っていますので、確認をお願いします。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。